ストライキ続くパリの街。

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Bonjour!

なんて何ヶ月ぶりの更新なんでしょう。
きっとご覧頂いている方もいないのではないかと思いますが、思いつくままに書く場所だと思っているので、これからも思いついた時にぽろぽろ書いていきます。

さて、タイトルの通りフランスはストライキ真っ最中ですね。
国の年金制度への抗議という名目で各団体が12月から様々な場所でストライキやマニフェスタシオン(デモ行進)を行なっています。12月5日から始まって2週間以上が経ちましたが、いまだに終わる気配が見えません。クリスマスも続行だ!と息巻いている状態。

パリではメトロはほとんど動かないし(少し改善)、バスも半分程度だし、郊外へ行く電車も5本に1本くらいしかきません。

関西で例えるならJRがほとんど動かない、大阪メトロも御堂筋線のなんば〜新大阪まで・四ツ橋線のなんば〜西梅田までが午前と午後で3時間ずつくらいしか動かない、それ以外の路線・駅は全部運休と閉鎖!みたいな感じです。で、バスが半分でモノレールだけ終日通常運行

こんなこと、日本では想像もつかないし絶対に起こりえないですよね。
もし実際に起こったらJR西日本大阪市がどれだけユーザーから批判されるか。

今回のストライキ、もちろんストに参加しない人たちにとっては不便極まりないのですが、そもそもなんで公共交通機関ストライキなの?と思って調べてみました。

どうやら政府が打ち出している年金制度改革案が早期退職優遇制度がある国鉄職員や一部の職業従事者にとって受給額が減るという恐れがある、というものが原因のようです。

だからSNCFやRATPなどの公共交通サービスの職員たちが一斉にストライキを起こしているんですね。実は国民アンケートでは7割近い国民が「年金制度への改革派必要である」と認識しているものの、自分の受給額が減るのは嫌!というのが本音なんだとか。

www.jiji.com

日本でも不透明な改革は度々ニュースでも話題になりますが、それに対して批判を繰り広げるのは専ら野党の政治家たちですよね。ニュースやワイドショーでも取り上げられてはいますが、あくまでTVの中の出来事であって今回パリで行われているような大規模なストライキには滅多に繋がりません。

私の記憶で一番新しくて大きなものだと東電・関電の原子力発電に関するデモ活動ですかね…。それだって集まっても数千人です。

フランスでは今回の件に関するデモだけでフランス全土で80万人が参加したそうです。フランスの総人口は日本の約半分(6,700万人)それなのにデモ参加者は270倍近い。

海外に住んでみて、すごく実感したことのひとつが国民の国政への関心度の高さ。
日本人が関心が薄いって言いたいわけではありません。「政府のやり方が間違っている!こんな改革は認められない!」と思ったらそれを行動に移して抗議活動をするのがフランス。同じ不満を持っていてもツイッターで呟いたり友人間で話したりするだけなのが日本。

日本人て基本的にシャイというか、熱意を全面に押し出してアピールするのとかすごく苦手な人種じゃないですか。ディベートとか。かくいう私も大の苦手ですけど。

だからたとえ「間違っている」と思っていても「間違っているけどそんな主張するのが私だけだったらどうしよう」「目立ちたくない」みたいな心理が先に立ってしまって行動に移せないんだと思います。

逆にフランスってガツガツ自己主張していく人たちなので、ストライキもデモも日々どこかしらで行われていますし、実際にその行動が理由で政策が変わったりするんです。政府が無視できないくらいの世論の熱が高い。

パリに住んでいた頃は大統領選挙もありましたし、そういう国民の政治とか環境問題への“熱”みたいなものは本当に凄まじいなと感じました。日本人に同じくらいの熱狂さを求めるのは難しいだろうとは思いつつ、もう少しthinkからactionのハードルが下がれば色んなことが前進するんじゃないのかなと今回の件があって改めて思いました。

 

なんだか急に重たい話をつらつら書いてしまったように思いますが、先日Twitterで私が言いたいことを素晴らしく的確にまとめてくださっている方がいらっしゃったのでシェアします。

この方はフランス在住の方ではないですが、「海外に住んだことのある日本人」 として頷く部分の多い内容でした。フランスだから、ということではなく日本じゃない国に住んでみて、外から日本を見たときに感じることというのはどの国から見てもある程度は似通ってくるんものなんですね。

 

パリのストライキの件があったので、前々からちょっと思っていたことを書きました。
それにしてもいつまで続くんでしょうね〜。今のところ28日まではストライキ続行のようですが、穏やかな年末年始になることを願うばかりです。