おうち時間の過ごし方

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Bonjour!

フランスでは5月11日から外出禁止令が緩和され、日本でも多くの地域で緊急事態宣言が解除されましたね。とはいえ、コロナの危機が過ぎ去ったわけではなく。
今後もなるべくStay homeを心がけて過ごしていかなくてはいけませんね。

私はもともと仕事が在宅なので、正直今回のStay homeではあまり勤務形態は変わらなかったのですが。3月の帰国後2週間は完全に引きこもりで一歩も外に出ず過ごしました。さすがに後半はちょっと外の空気が恋しかったですね〜。

さて、勤務形態はあまり変わらずといえども休日も外に出られないとなるとやはり時間を持て余してしまいがち。普段もインドア派ではありますが、どちらかというとダラダラゴロゴロ、非生産的な過ごし方しかしていない。う〜ん、確かにこの非生産的な時間、大好きなんだけど…せっかくなら何か有意義なことに使いたい…。

と思い立ちまして、普段は小説かエッセイしか読まないのですが、この機会に色々な分野の本に手を出ししてみることにしました。もちろん好きな分野も。

読んでみて思ったのは、「なぜ今まで読んでこなかったの?」という後悔。世の中、面白い・興味深いことを書く人はこんなにもたくさんいらっしゃるんですね。無知ですみませんでした…。これからは食わず嫌いせず、色々な本を読みたいと思います。本当だよ。

そしてせっかくなので、私が読んだ本をご紹介したいと思います。
読書苦手な私でもスラスラ読めた、とってもやさしい本です。ぜひ。

フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか

福祉の先進国、サウナ、ムーミンかもめ食堂のロケ地…と色々なイメージは湧くけれど、じゃあどんな風に働いているんだろう?と言われると「はて?」となる。
しかしタイトルを見るに日本の労働スタイルとはだいぶ違いそう。友人からも勧められて購入してみました。

勝手なイメージとしてヨーロッパの人ってみんなパーソナルスペースが(日本人と比べて)近いもんなんだと思っていたけど、どうやらフィンランドは違うみたい。他人との物理的・心理的距離感はどちらかというと日本人に近しいようで、なんだか親近感。

働き方も在宅ワークの比率も日本に比べると高く、職場もそうすることに大きな抵抗がないとのこと。ひとつのプロジェクトの中でリスク分散しているし、今時はネットでどこでも繋がれるから必ずしもオフィスで働く必要はないじゃないかという考え方。

今読むからこそ、肯ける部分も多かったです。
それと個人的にいいなと思ったのが「生涯学習」がスタンダードであるということ。
日本でもそれが変だというわけではないけれど、社会人をやりながら大学に通ったり、定年を迎えてから学校に通ったりすることが「よくあること」ではないですよね。

ほとんどの人が進んで勉強することは大学までで終わってしまう。それってかなり勿体ないことだよな〜と最近特に思うのです。興味があることについて何歳から学び始めたっていいじゃない、と思える文化、素晴らしい。

あとはフィンランドに行ってサウナに入りたくなります。

 

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとだけブルー

これは今年読んだ本で絶対Best 3に入るくらい衝撃を受けた一冊。なんとなくもやもやしていて言語化出来ていなかった思いとか考えが見事に表現されていて首がもげるくらい頷きながら読んでました。

イギリスに住む日本人母と日本とアイルランドのハーフ(ダブル)の息子の実話。
海外で子供を育てることって想像以上に難しく、厳しいものなんだなと思うのと同時に、子供って思った以上に逞しくて、自分自身で考える力があるんだと気付かされた。この本については、本当に考えさせられることが多かったので別でこの本だけ取り上げて書きたいと思います。

それくらい、印象的だった一冊。どうかたくさんの方に読んで欲しい。

 

スーツケースの半分は

読んだことのない作家さんでしたが、評価が良かったのと自粛生活が続いてそろそろ旅行したいな〜という気持ちがむくむく育ってきたので気晴らしにもなるかなと思って購入。
フリーマーケットで偶然購入した真っ青なトランク。短編集のような形で各章で主人公は異なりますが、一貫して登場するのがこの青いトランク。様々な人の手を渡り世界中を旅します。私はこの本を中古で買ったけれど、この本にももしかしたら元の持ち主やその前の持ち主で何かストーリーがあったのかなぁなんて想像したり。

登場人物のほとんどが20代後半の女性たちなので、彼女たちのそれぞれのライフスタイル(主婦、フリーランス、会社員)も読み手が彼女たちの誰かに自己投影しやすいんじゃないかな。さらさらと読めるので、寝る前の読み物としてとても良かったです。 

 

満腹論

ここ数年、大好きなアーティストである坂本真綾さんのエッセイ集です。エッセイ読むの大好きなんですけど、面白いな〜と思うエッセイを書かれる人って本当に文章力が高いなと毎回感心してしまいます。難しい言葉を使っていたりすごくいいことを言っているわけじゃないんだけど、その人の感性が見えるというか。エッセイでもその人がそのまま喋っているように感じるタイプと、書きたいことを整理して文章に起こしているんだな感じるタイプとあると思うんですけど、坂本さんは圧倒的に後者。

ものすごく読みやすいんです。他にもfrom everywhere.という彼女のエッセイを読んだことがあって、そのときも素敵な文章を書く人だなと思っていましたが、本作ではさらに磨きがかかっていましたね〜。

「世界中の美味しいものを現地で食べたい!」というコンセプトから始まった連載だそうですが、実際に海外に行って食べたものの旅行記かと思いきや、それだけじゃなく。「おや、今回はグルメなお話ないの?」と思えるような回も思い出の味についてのお話につながったり心が満腹になるようなお話もあって。入籍当日のお話なんかもあってファンの方には嬉しい内容なんじゃないかな〜?

今年で40歳になられた彼女ですが、声だけじゃなくてご本人も透明感があって、しなやかで強い人だなと感じられる人です。去年の年末ライブ、めちゃくちゃ格好よかった。

 

パリのアパルトマン

前回パリに滞在時、アパルトマンに置いてあった本。きっと前の利用客が置いていかれたのでしょう。タイトル通り、パリを舞台繰り広げられるお宝探し?ミステリー。パリの実際の地名がたくさん出てくるので、頭の中でパリの地図を広げながら読みました。シェルシュミディ通り、イルビゾンテがあるとこだなぁ…とかね。

前半は結構とっつきにくくて読み切れるか不安だったんですけど、後半は一気にミステリー感が増してどんどん駆け足て一気読みしちゃいました。

謎解きパートはかなりテンポよく進んでいくので面白かったです。

 

小さいノート活用術

おうち時間が長くなって、考えたり想像したりとりとめもないことをぼんやり思ったりする時間が増えました。思いつくだけだとどんどん流れていってしまうので、書き留める癖をつけようと思い、参考になるかな〜と購入。

作者の高橋さんはWEBマガジン「毎日、文房具」の編集長さんです。小さいノートに全部書く!という高橋さん。私も雑記帳としてノートを活用したいと思っていたので、彼の活用法はかなり自分に合っていました。

 

大泉エッセイ

タイトルの通り、大泉洋さんの16年間にわたる雑誌連載のエッセイ集です。読んでいて、時の流れと筆者の執筆の上達ぶりがものすごく感じられる一冊。唯一変わらないのは大泉洋はず〜〜〜〜〜〜っと面白いということ。最初に彼を知ったのは水曜どうでしょうなので「明るく楽しいローカルタレント」かと思ってましたが、この番組が全国的に有名になってからはドラマや映画でよくお見かけするようになり。お芝居もするんだ!(本業はこっちなのに)と知ってからは彼が出ている作品を結構追いかけたりしてました。
お芝居している大泉洋も好きだけど、やっぱり原点は水どうなんですよね。だからかなりの頻度でエッセイの中に水どうのお話が出て来ます。ロケ先に向かう空港や飛行機の中で書いている…という書き出しが何回あったことか。番組の中では辛辣な言葉の応酬を繰り広げているディレクター陣のことも書いてあったりと水どう愛に溢れる場面もあります。

満腹論のところで書きましたが、大泉さんは圧倒的に「その人がそのまま喋っているかのように感じる」タイプの書き手。耳元で大泉さんの声が聞こえてくるかのようでした。あ〜笑った。

 

 わたしのマトカ・グアテマラの弟

いずれも女優片桐はいりさんのエッセイ。わたしのマトカは片桐さんが『かもめ食堂』のロケでフィンランドに滞在していた1ヶ月間の滞在記、グアテマラの弟はそのまま、弟さんが住むグアテマラを訪問したときの滞在記になっています。

私、この方がこんなにも面白い文章を書かれる方だとはまったく知らなくて!
初めて読んだとき面白すぎて片桐はいり天才か?と思ってしまうほどでした。あのテレビで見る飄々としていてだけど謎の存在感があるあの雰囲気のまま、見知らぬ土地フィンランドを楽しむ姿が容易に想像出来るんです。一人でナイトクラブに行ったり、ロケ終了後も一人現地に残ってホームステイしたり、誰もいない森の中の別荘地で裸でサウナから部屋まで駆け戻ったり…。

最高です、大好きです。めちゃくちゃ面白い。片桐さんのエッセイを読んで、完全にエッセイ沼にハマったといっても過言ではないです。

嘘だと思って読んで欲しい、楽しいエッセイです。

 

グアテマラの弟

 

あれこれ思い出しながら書いていたら無駄に日数をかけてしまった。これ書き出したの5月の終わりだったんじゃないだろうか…相変わらず遅筆で困る。
Stay home期間は終わっちゃいましたが、まだまだ油断ならないですし、予防対策しっかりしていきましょうね。おうちにいる時間や移動時間で、今回紹介した本のどれか1冊でも読んでみてもらえたら嬉しいです。

感想教えてくださいね!
そしてお勧め本もあれば教えてください。何でも読みます!

それでは。