France me manque

 フランスが恋しい!ただただそれだけのブログです。

約いつぶりなのかも考えたくないほど沈んでいましたが、元気です。

2020年3月に帰国して以来、にっくきコロナの影響でフランスに行けなくなって1年半以上が経ちました。無事に2回目のワクチン接種も終え、行こうと思えば行ける状況にはあるのですが…。

フランスはもう全然観光客Welcomeなご様子なんです。仕事していてもEU圏内の人はじゃんじゃん旅行してますし、ホリデーシーズンもウキウキ!て感じなので。日本からの入国者もワクチン接種証明があれば待機なしですぐ自由の身ですしね。

問題は日本に帰ってきたあとなのです。3日間の隔離措置が撤廃されたのでそれは非常に喜ばしいのですが、14日間の公共交通機関の不使用。これがいただけません。
帰国したその日から14日間はバスも電車も乗れないというわけですね。つまり空港から自宅へも自家用車やレンタカー、ハイヤーなどで帰らないと駄目!ということ。

でも空港って基本的に辺鄙なところにあるじゃないですか…?そこから自宅までなんて3時間半コースなんですよ…。それをハイヤーで帰宅するってなったら「もう1回旅行出来ますね!」みたいな金額になるわけです。

つまり無理。

自宅隔離はいいんですが、交通機関が使えるようになるまではちょっとフランス行きづらいなぁ…というのが本音です。早く行きたいな〜〜。

フランス語もどんどん忘れています。ワーホリから帰国して以来、こんなに長いことフランスを訪れなかったのは初めてなので、フランス語耳が完全に退化しているのを感じています。

せめて文法だけはこれ以上忘れるのはマズい!と参考書を引っ張り出してきて取り組んでいるところです。たまに海外ドラマでフランス作品を見るんですが、話すの早すぎてJe ne comprends rien...

 

昨日読んでいた参考書で「ほんとそれ」と思った一文。

J'aimerais arriver à bien m'exprimer en français.

いつになることやら。

 

せめて次回フランスに行くときには多少の勘は取り戻しておきたいと思うのです。

フランス語学習者の皆さん頑張りましょうね…!

 

ではまた気が向いたときに。

 

 

三点リーダはネガティブ?

Bonjour!

年も明けてひと月。今更新年の挨拶をするのも憚られますね。
今年も亀よりものろまな更新ですが、宜しくお願いします。

さて、今回久しぶりにブログでも書こうかなと思ったのは、つい先日SNSでも話題になっていた「三点リーダ」の表現について。
実は私、大学の卒論のテーマで取り扱ったんですよ。三点リーダ。だからめちゃくちゃ馴染みがあって、個人的には愛着のある記号なのです。普段でも多用するので、今回なんだかネガティブな感じで広まっているような気がしてちょっと切ない気持ち。

確かにビジネスでのやり取りの中で文末が「…」で終わるのはカジュアルすぎるのではと思いますが、普段遣いならこんなに面白い記号はないのに…と思わずため息を吐いてしまいました。
こと小説のなかでの三点リーダの活躍っぷりったら。

三点リーダの使い方

急に何?って感じですけど。皆さんいつもどんなときに三点リーダを使われますか?
恐らく多くの方が文末で使うと思うんですよね。「疲れた…」とか「なぜ…?」とか「〜と思います…」という具合に。

何気なく使っていると思いますが、実はそれぞれに伴う効果は異なります。

「疲れた…」に含まれる「…」には疲労の度合いであったり、疲れている状況を形容するような働きがありますね。「なぜ…?」には思案する様子、「〜と思います…」には「そう思いますが、あなたはどうですか?」のような相手の意見を求めるような意味合いが含まれています。

こんな風に、日本語で使う三点リーダって思った以上に様々な効果をもたらしてくれるんです。小説や漫画などの文中だと本当に多岐にわたる使用例が発見できます。

  • 感情の余韻・余白
    ひとつ前の言葉に余韻をもたせる、またはその言葉について推察する余白を与える
    例:姉に「なんでヤンバルクイナだけ落っことすの?」と聞くといつも「気付かなかった」と言うのです。恐ろしい……無意識にヤンバルクイナを虐げているのです。
    阿佐ヶ谷姉妹阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』より)
  • 沈黙している情景の表現
    台詞の中で話者が沈黙していることを記号的に表現
    例:「…………」
  • 台詞の遮り
    話者の言葉を遮って別の人物が話し出したことの表現
    例:「先生のようにごろごろしてばかりいちゃ…」「ごろごろばかりしていやしないさ」
    夏目漱石『こころ』より)
  • 思案
    言葉にする内容を思案・躊躇い・言い淀む様子
    例:「奥さん。まことに失礼ですが、いくつにおなりで?」と男のひとは、破れた座蒲団に悪びれず大あぐらをかいて、肘をその膝の上に立て、こぶしで顎を支え、上半身を乗り出すようにして私に尋ねます。
    「あの、私でございますか?」
    「ええ。たしか旦那は三十、でしたね?」
    「はあ、私は、あの、……四つ下です」
    太宰治ヴィヨンの妻』より)
  • 時の流れ
    三点リーダを利用することで時が移っていくことを表現
    ゴンクールの声が上ずった。忠正は、口元に微笑を浮かべたままでゆっくりと答えた。
    「……千フラン、申し受けます」
    原田マハ『たゆたえども沈まず』より)

どうですか?軽く書き出しただけでもこれだけの用法・効果があるのです。
ちなみに三点リーダを文頭に持ってくると、また少し違った雰囲気になります。漫画とかでもよく見かける表現ですよね。「…え?」とか「…嘘」とか。場面にもよりますが、こういう場合って記号の中には驚嘆とか疑念みたいな感情が込められている気がします。
聞いた内容を咀嚼している状態というのかな。 あとは単純に「間」のためとか。他にも動作を表していることもありますね。
例えばひとつ前の文章やコマで飲み物を飲んでいる描写があるとします。

「……美味しい!」

こう書かれていると、記号の中に飲み物を飲み下すまでの動作が含まれているように感じませんか?

他にも「…っ!」とか「…でも、」とか。
言葉に詰まっている様子や悔しがっているような様子が伺えます。他にも使う側によってめちゃくちゃ表現の幅を持たせられる記号なんですよね。読み手に想像する余白を生む記号なんです。

そしてこうした表現って日本語が特に多いんじゃないかなとも思います。日本語って回りくどい表現好きじゃないですか。簡明直截な表現よりもニュアンスで表現することを好むというか。私が論文で比較したのはフランス語の小説でしたけど、三点リーダを用いて叙情的に文章を書いていたのは圧倒的に日本語の小説が多かったです。

というかそもそもフランス語の小説の中から三点リーダを探すこと自体がめちゃくちゃ大変だった!全然ないんですよ。使わないの、三点リーダ
日本語の小説なんて、上に書いた例文を手持ちの書籍や青空文庫で探し出すのに10分もかからなかったのに。

当時必死でかき集めたフランス語の小説の中での用途だと、「沈黙」と「時の流れ」としての描写が多かったですね。あくまで情景を描写する記号であって、そこに感情とか想像の余白とかは含まれていないんです。もはやうろ覚えだし、当時の仏語スキルでの解釈ですから、本当はもっと別な目的で利用していたのかもしれませんが。

でもそう考えると面白くありません?日本語特有で可能性秘めまくりの記号ですよ。
当時、どうして私がこの記号で卒論を書こうなんてトンチキなことを思いついたのかはさっぱり思い出せませんが、調べていくほどに「おもろー!」と思いながら論文を書いていたのは覚えています。(半分嘘です。CiNiiの少ない論文読み漁り、例文となる文献が見つからなすぎて図書館で涙目になりながら書いてました)

 

今回話題になったニュースとは論点がずれたかな?と思いますけど、使いどころを誤らなければめちゃくちゃ便利で表現力のある記号です。ずるい使い方しないで、表現力に豊かさ持たせていこうぜ!ということが言いたかったブログでした。

 

お粗末さまでした。

おうち時間の過ごし方

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Bonjour!

フランスでは5月11日から外出禁止令が緩和され、日本でも多くの地域で緊急事態宣言が解除されましたね。とはいえ、コロナの危機が過ぎ去ったわけではなく。
今後もなるべくStay homeを心がけて過ごしていかなくてはいけませんね。

私はもともと仕事が在宅なので、正直今回のStay homeではあまり勤務形態は変わらなかったのですが。3月の帰国後2週間は完全に引きこもりで一歩も外に出ず過ごしました。さすがに後半はちょっと外の空気が恋しかったですね〜。

さて、勤務形態はあまり変わらずといえども休日も外に出られないとなるとやはり時間を持て余してしまいがち。普段もインドア派ではありますが、どちらかというとダラダラゴロゴロ、非生産的な過ごし方しかしていない。う〜ん、確かにこの非生産的な時間、大好きなんだけど…せっかくなら何か有意義なことに使いたい…。

と思い立ちまして、普段は小説かエッセイしか読まないのですが、この機会に色々な分野の本に手を出ししてみることにしました。もちろん好きな分野も。

読んでみて思ったのは、「なぜ今まで読んでこなかったの?」という後悔。世の中、面白い・興味深いことを書く人はこんなにもたくさんいらっしゃるんですね。無知ですみませんでした…。これからは食わず嫌いせず、色々な本を読みたいと思います。本当だよ。

そしてせっかくなので、私が読んだ本をご紹介したいと思います。
読書苦手な私でもスラスラ読めた、とってもやさしい本です。ぜひ。

フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか

福祉の先進国、サウナ、ムーミンかもめ食堂のロケ地…と色々なイメージは湧くけれど、じゃあどんな風に働いているんだろう?と言われると「はて?」となる。
しかしタイトルを見るに日本の労働スタイルとはだいぶ違いそう。友人からも勧められて購入してみました。

勝手なイメージとしてヨーロッパの人ってみんなパーソナルスペースが(日本人と比べて)近いもんなんだと思っていたけど、どうやらフィンランドは違うみたい。他人との物理的・心理的距離感はどちらかというと日本人に近しいようで、なんだか親近感。

働き方も在宅ワークの比率も日本に比べると高く、職場もそうすることに大きな抵抗がないとのこと。ひとつのプロジェクトの中でリスク分散しているし、今時はネットでどこでも繋がれるから必ずしもオフィスで働く必要はないじゃないかという考え方。

今読むからこそ、肯ける部分も多かったです。
それと個人的にいいなと思ったのが「生涯学習」がスタンダードであるということ。
日本でもそれが変だというわけではないけれど、社会人をやりながら大学に通ったり、定年を迎えてから学校に通ったりすることが「よくあること」ではないですよね。

ほとんどの人が進んで勉強することは大学までで終わってしまう。それってかなり勿体ないことだよな〜と最近特に思うのです。興味があることについて何歳から学び始めたっていいじゃない、と思える文化、素晴らしい。

あとはフィンランドに行ってサウナに入りたくなります。

 

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとだけブルー

これは今年読んだ本で絶対Best 3に入るくらい衝撃を受けた一冊。なんとなくもやもやしていて言語化出来ていなかった思いとか考えが見事に表現されていて首がもげるくらい頷きながら読んでました。

イギリスに住む日本人母と日本とアイルランドのハーフ(ダブル)の息子の実話。
海外で子供を育てることって想像以上に難しく、厳しいものなんだなと思うのと同時に、子供って思った以上に逞しくて、自分自身で考える力があるんだと気付かされた。この本については、本当に考えさせられることが多かったので別でこの本だけ取り上げて書きたいと思います。

それくらい、印象的だった一冊。どうかたくさんの方に読んで欲しい。

 

スーツケースの半分は

読んだことのない作家さんでしたが、評価が良かったのと自粛生活が続いてそろそろ旅行したいな〜という気持ちがむくむく育ってきたので気晴らしにもなるかなと思って購入。
フリーマーケットで偶然購入した真っ青なトランク。短編集のような形で各章で主人公は異なりますが、一貫して登場するのがこの青いトランク。様々な人の手を渡り世界中を旅します。私はこの本を中古で買ったけれど、この本にももしかしたら元の持ち主やその前の持ち主で何かストーリーがあったのかなぁなんて想像したり。

登場人物のほとんどが20代後半の女性たちなので、彼女たちのそれぞれのライフスタイル(主婦、フリーランス、会社員)も読み手が彼女たちの誰かに自己投影しやすいんじゃないかな。さらさらと読めるので、寝る前の読み物としてとても良かったです。 

 

満腹論

ここ数年、大好きなアーティストである坂本真綾さんのエッセイ集です。エッセイ読むの大好きなんですけど、面白いな〜と思うエッセイを書かれる人って本当に文章力が高いなと毎回感心してしまいます。難しい言葉を使っていたりすごくいいことを言っているわけじゃないんだけど、その人の感性が見えるというか。エッセイでもその人がそのまま喋っているように感じるタイプと、書きたいことを整理して文章に起こしているんだな感じるタイプとあると思うんですけど、坂本さんは圧倒的に後者。

ものすごく読みやすいんです。他にもfrom everywhere.という彼女のエッセイを読んだことがあって、そのときも素敵な文章を書く人だなと思っていましたが、本作ではさらに磨きがかかっていましたね〜。

「世界中の美味しいものを現地で食べたい!」というコンセプトから始まった連載だそうですが、実際に海外に行って食べたものの旅行記かと思いきや、それだけじゃなく。「おや、今回はグルメなお話ないの?」と思えるような回も思い出の味についてのお話につながったり心が満腹になるようなお話もあって。入籍当日のお話なんかもあってファンの方には嬉しい内容なんじゃないかな〜?

今年で40歳になられた彼女ですが、声だけじゃなくてご本人も透明感があって、しなやかで強い人だなと感じられる人です。去年の年末ライブ、めちゃくちゃ格好よかった。

 

パリのアパルトマン

前回パリに滞在時、アパルトマンに置いてあった本。きっと前の利用客が置いていかれたのでしょう。タイトル通り、パリを舞台繰り広げられるお宝探し?ミステリー。パリの実際の地名がたくさん出てくるので、頭の中でパリの地図を広げながら読みました。シェルシュミディ通り、イルビゾンテがあるとこだなぁ…とかね。

前半は結構とっつきにくくて読み切れるか不安だったんですけど、後半は一気にミステリー感が増してどんどん駆け足て一気読みしちゃいました。

謎解きパートはかなりテンポよく進んでいくので面白かったです。

 

小さいノート活用術

おうち時間が長くなって、考えたり想像したりとりとめもないことをぼんやり思ったりする時間が増えました。思いつくだけだとどんどん流れていってしまうので、書き留める癖をつけようと思い、参考になるかな〜と購入。

作者の高橋さんはWEBマガジン「毎日、文房具」の編集長さんです。小さいノートに全部書く!という高橋さん。私も雑記帳としてノートを活用したいと思っていたので、彼の活用法はかなり自分に合っていました。

 

大泉エッセイ

タイトルの通り、大泉洋さんの16年間にわたる雑誌連載のエッセイ集です。読んでいて、時の流れと筆者の執筆の上達ぶりがものすごく感じられる一冊。唯一変わらないのは大泉洋はず〜〜〜〜〜〜っと面白いということ。最初に彼を知ったのは水曜どうでしょうなので「明るく楽しいローカルタレント」かと思ってましたが、この番組が全国的に有名になってからはドラマや映画でよくお見かけするようになり。お芝居もするんだ!(本業はこっちなのに)と知ってからは彼が出ている作品を結構追いかけたりしてました。
お芝居している大泉洋も好きだけど、やっぱり原点は水どうなんですよね。だからかなりの頻度でエッセイの中に水どうのお話が出て来ます。ロケ先に向かう空港や飛行機の中で書いている…という書き出しが何回あったことか。番組の中では辛辣な言葉の応酬を繰り広げているディレクター陣のことも書いてあったりと水どう愛に溢れる場面もあります。

満腹論のところで書きましたが、大泉さんは圧倒的に「その人がそのまま喋っているかのように感じる」タイプの書き手。耳元で大泉さんの声が聞こえてくるかのようでした。あ〜笑った。

 

 わたしのマトカ・グアテマラの弟

いずれも女優片桐はいりさんのエッセイ。わたしのマトカは片桐さんが『かもめ食堂』のロケでフィンランドに滞在していた1ヶ月間の滞在記、グアテマラの弟はそのまま、弟さんが住むグアテマラを訪問したときの滞在記になっています。

私、この方がこんなにも面白い文章を書かれる方だとはまったく知らなくて!
初めて読んだとき面白すぎて片桐はいり天才か?と思ってしまうほどでした。あのテレビで見る飄々としていてだけど謎の存在感があるあの雰囲気のまま、見知らぬ土地フィンランドを楽しむ姿が容易に想像出来るんです。一人でナイトクラブに行ったり、ロケ終了後も一人現地に残ってホームステイしたり、誰もいない森の中の別荘地で裸でサウナから部屋まで駆け戻ったり…。

最高です、大好きです。めちゃくちゃ面白い。片桐さんのエッセイを読んで、完全にエッセイ沼にハマったといっても過言ではないです。

嘘だと思って読んで欲しい、楽しいエッセイです。

 

グアテマラの弟

 

あれこれ思い出しながら書いていたら無駄に日数をかけてしまった。これ書き出したの5月の終わりだったんじゃないだろうか…相変わらず遅筆で困る。
Stay home期間は終わっちゃいましたが、まだまだ油断ならないですし、予防対策しっかりしていきましょうね。おうちにいる時間や移動時間で、今回紹介した本のどれか1冊でも読んでみてもらえたら嬉しいです。

感想教えてくださいね!
そしてお勧め本もあれば教えてください。何でも読みます!

それでは。

【noteからの転記】今パリにいる私が思うこと。

はじめに。

この記事は2020年3月にnoteのマイページで投稿した記事です。
いろいろあってnoteのアカウントを閉じたのですが、この記事は自分自身でも忘れたくない出来事だったので、こちらにも残しておくことにしました。

 以下、転記。

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色々な楽しい記事から始めようと思っていました。
旅の準備、実はめんどくさいよね〜とか、これまで行って来た場所についてだったりとか。だけど世界中で猛威を振るっているこの話題に背を向けて、他の記事を挙げることは出来ませんでした。
勿論専門家ではないし、長くパリに住んでいるわけでもない。今、このタイミングでたまたまパリにいるだけの人です。でも観光客の人よりはこの街に馴染みがあって、長くこちらに住んでいる人よりは“日本人ぽい”感覚が色濃い。そう言う、私なりの視点で思うことを書いてみようと思います。

①街中でマスクなんか見たことない2月からマスクが売り切れる3月へ

パリに着いたのは2月14日。日本ではすでにコロナウィルスの影響が出始め、街中ではマスクや消毒用アルコールなどの製品が店頭から姿を消していました。長時間フライトでは乾燥した空気などから喉を痛めて、そのまま風邪を引く確率が高いので、ここ数年は必ずマスクを着用していました。それは今回も変わらず。出国からCDG空港に着くまでは食事の時間以外は一切外しませんでした。CDG空港に着くまでは。空港の敷地から出るとともに、使い捨てマスクとはサヨナラ。フランス含め、ヨーロッパ諸国では日本人のように予防でマスクをすると言う習慣がないため、マスク姿のアジア人というのは変に目立っていらぬ疑いを持たれるのではと懸念したからです。
パリに到着した翌日に市内の大きなドラッグストアに行きましたが、消毒用アルコール、アルコール入りウェットティッシュ、マスクはいずれも在庫がありました。私自身は消毒用アルコールを一つ購入。

この時点ではフランスではまだ感染者もほとんどおらず、パリ市内もいつも通りの様相でした。街中を歩いていても特に気になることもなく、本当にいつも通りのパリ。日本ではテレビをつければコロナウィルスかアルコールとマスクがないという話しか聞こえてこないような暗い雰囲気だったので、まったくコロナの脅威を感じないパリでの日々は逆に開放的でとても穏やかな気持ちで日々を過ごしていました。

そして月が変わって3月。イタリア北部での感染者数の増加に伴い、フランスでも俄かにコロナの影響が出始めました。地方都市から徐々に感染者が増え始め、あっという間に100人、200人を超えて3月8日現在では423名の感染者が出ています。本日時点でなんと日本の感染者数を抜いてしまいました。先週土曜日の時点で、市場にある医療用マスクは政府の保有となり、医療従事者や必要となる人に優先的に配布されることになりました。
そのため、今週ではもう薬局などでマスクを見かけることはなくなってしまいました。さらに消毒用アルコールも一時通常の2倍以上の価格で販売されていましたが、すぐに政府の是正措置が入り、50ml以下の消毒用アルコールは2ユーロ以下でしか販売してはいけないことになりました。
こういう対応の早さは良いですよね。ちなみに2倍以上の価格で売っているのを見かけたのは街中の普通の薬局でした。どうなのそれ。

②買い溜め始まる?店頭から消えたパスタ

今日スーパーに買い出しに行ったら、とある棚だけすっからかんだったんです。とうとうティッシュ?トイレットペーパー!?と思ったら違いました。
まさかのパスタ。なんでパスタ???そういえばイタリアではパスタの買い溜めがニュースになってましたよね。まさかフランスでまでパスタが棚から消えるとは…マンマ・ミーア…

私がパスタの棚が空っぽでぽかーんとしている横で、お年を召したムッシューがパスタをお探しに来られたのだけど、同じく空っぽの棚にぽかーんとしてらっしゃって、二人で「パスタ、ないねぇ」って言って別れました。

イタリアに続き、フランスもパスタないです。週明けには補填されているといいのですが。あとはこの流れで紙類の買い溜めが始まらないことを祈るばかりです。

③人の視線となんとなくの嫌悪感を感じる3月1週目

楽しい2月が去り、コロナの暗い影がフランスにも伸びてきた先週1週間。
まず結論からいうと、ちょっと居心地悪くなってきたな。という感じです。
日常生活は何ら問題ありません。日本でもニュースになっているようですが、外国にいるアジア人に対する暴力行為や差別発言なんてのも、今のところ私や私の周囲にいる人からは聞こえてきません。
スーパーで買い物をしたり、美術館に行ったり、クライアントに会うときも、みんな笑顔で「Bonjour!」と言ってくれます。握手とビズ(挨拶のキス)は感染予防のためNGが出ていますが、それ以外は特に変わりなく接してくれる人がほとんどです。

ただ、まさに今日。メトロに乗っていて2回ほど(それぞれ別の人です)明らかに私の顔を見てマフラーに顔を埋めたり、鼻を摘まむような仕草をして顔を下に向けたりする人に遭遇しました。直接何かを言われたわけではないし、その人たちが悪気があってその仕草をしているわけではないとわかっています。(悪気があったらもっと明らかな悪意を感じます)
私は咳もくしゃみもしていないし、一人で乗車しているので喋ってもいないです。つまりその行為はまったく無意味なんですが、彼らにとってそれは自衛だったのだと思います。その仕草をされて最初は「何?ウィルスなんて持ってないんだけど」と思って腹が立ったし、悲しくて寂しい気持ちになりました。
だけど思い返してみればコロナウィルスが中国で発生して問題が大きくなりだした頃、街中で見かける中国人に対して「何で今来るかな」「自重してよ」「早く自分の国に帰って欲しい」と何の気なしに思っていました。

私が見かけた中国人の中には、ずっと日本に住んでいる人もいたかもしれない。ウィルス発生前に日本に到着していた人もいたかもしれない。でもそんな人たちの背景を考えたことが一度でもあったでしょうか?

残念ながら一度もありませんでした。深く考えることもなく、「中国人だ、嫌だな」とひとまとめにして敬遠していたのです。当時の彼らへの私の思いは、今日私がされたことと何も変わりません。日本では時期を問わずマスク姿で街中を歩いていることが日常風景になっているので、中国人を見かけても明らかに顔を伏せたり…なんてことはしませんでしたが、態度には出していなくとも、考え方は同じですよね。

そして今、自分がヨーロッパに来てアジア人という括りで少し避けられたりし始めて、初めて当時の自分の考えが「人種差別的」だったことに思い至りました。情けなく、恥ずかしい思いでいっぱいです。

今、世界中でアジア人に対する暴力的な事件や差別的な発言が飛び交っていると聞きます。そして連日流れる報道に、心配して連絡をくれる友人もたくさんいます。素直にとっても嬉しいです。おかげさまで私は今も健康で症状もないし、明日以降も帰国まで元気に過ごすつもりです。

そんな心優しい友人たちと、世界中にいる日本人・アジア人への人種差別に心を痛めている人たちにも気付いてもらいたい。
日本人が世界で差別を受けることには敏感なのに、外国人が日本で差別を受けることに鈍感にならないで欲しい。私たちが何気なくしている(してしまっている)仕草に、相手は必ず気が付いていて、傷付いています。
これだけ「手洗い・うがい」での予防を提唱されているんです。感染が恐ろしいのなら、しっかり予防してください。手を洗って、うがいをしてください。外国人を不要に避けることには何の意味もありません。
だってもうこの問題は「どこの国・人が発生源か」が問題ではないから。 

 

最後は少し長く、重くなってしまいましたが、今日何よりも感じたことだったので書いてみました。読んでくれた方に、何かを伝えられる・考える記事になっていたら幸いです。

明日は我が身。

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Bonjour !

世界中がコロナで大変な騒ぎになっていますね。
皆様はいかがお過ごしでしょうか?

rme !!!

私はといえば、2月中旬にフランスにやってきてしばらくは日本のパニック状態から離れ、羽根を伸ばすように過ごしていましたが、3月になってからはイタリア北部の感染を皮切りにどんどんとフランスの地方都市から感染が広がり、とうとう今日15日からは食料品店や薬局などの生活必需品を扱う店以外のすべての商店・レストラン・カフェ・施設の閉鎖が、そして明日16日からはすべての小中高大学の休校が決定しています。

本当なら、日曜日の今日はふらふらと街か近くを散歩しようかなと思っていたのですが、なんとなく気が乗らなくて、結局家に引きこもって過ごしてしまいました。

その分、大物の洗濯が捗ったので、まぁ良しとするか。

Stockage !!!

あっという間。日本とは比べ物にならないくらいのスピードで感染が広がっています。
今や感染者は3000名を超えました。マスクは政府が買い上げ、消毒用ジェルは姿を消しました。到着した頃にとりあえずと消毒ジェルを購入しておいて本当によかった…!

昨日City Pharmaに行きましたが 、そこですらもう消毒ジェルはなく、傷口消毒などに使用する純粋なアルコールのみが売ってました。あとは薄手のゴム手袋。しかしあまりの人の多さに、ここにいる方が感染しそう…と思ってしまうほどだったので目当てのものがないとわかるとすぐ退散しました。

今日は午前中に開いているスーパーに買い出しに行きましたが、日曜にも関わらず結構な人が。(フランス人の日曜日は結構遅め)そしてスーパーの棚がガラガラ。

特に肉・パスタ・トイレットペーパー・缶詰。パスタに関しては、イタリアからの物流がストップしてからなくなりつつあったので「やっぱり入ってこないんだなぁ」という感じでしたが、とうとう日本と同じくトイレットペーパーやオムツなんかの棚も空っぽになってしまいました。買い溜めも始まっているようです。

Modifier où Annulation de vol !!!

私は今回は3/22に出国し大韓航空での帰国を予定しておりました。が、なんと日本政府から中国・韓国からの入国者を日本人も含め隔離するとのお達しがあり、これはマズイと慌てて日程&航空会社を変更しました。

早めに帰っても日本もウィルスの影響が濃いし、もう少しフランスにいてもいいな〜という気持ちもあって4/7にドイツのルフトハンザ航空の便を取り直しました。

しかしドイツが周辺国との陸路の国境を閉鎖してしまい、いよいよドイツのフライトも危うくなってきました。これは本当にまずいかも、なんて思っていたら本日20時のマクロン大統領の二度目の演説ですよ。

 

17日の正午からシェンゲンの国境を封鎖します。

ヨーロッパ、非ヨーロッパすべての旅行が中断されます。海外に住むフランス人に関してはもちろん帰国可能です。 

 17日の正午?明日じゃん!そしてフランスに滞在している外国人は?出国できるの?どっちなの大統領!ってなっているイマココ。

明日、おそらく日本大使館からメールが来るかと思いますが想像以上に大変な事態になってしまいました。そして不謹慎だけど会見冒頭のマクロンの国民を叱咤しているのがちょっと面白かった。

 

そして本日最後のツイートがこちら。

 

めっちゃキレてるやん。

軍も投入して10万人規模でフランス全土を巡回するって。どうしても必要な外出以外は禁止、仕事などで外出しないといけない場合には証明書を持っていないとダメ。持っていなかったら最大で罰金135ユーロ。フランス、本気です…。
どうやらまだあと数日は帰国者のためのフライトがあるそうですが、それもいつまで飛んでくれるのか。

思いがけず波乱万丈なフランス滞在になってしまった今回、果たして無事に帰国できるのでしょうか?